E-CUS project
ARTIST
佐々木 成美 / NARUMI SASAKI
- 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修士課程 在籍
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作家紹介
佐々木成美は、東京芸術大学大学院の美術研究科絵画専攻油画修士課程に在学しながら、主に油絵を中心として制作を行っている広島出身の作家です。
油絵に描かれたモチーフは、描かれる前段階において、様々な表現方法によって習作されています。何枚ものデッサンが描かれる事でモチーフを捉え、彫刻などの
立体物を作る事でその量感が確かめられ、その立体物を用いた映像の制作によって、キャラクター性や物語、周囲の空間との関わり方を模索しています。
シーンの中の立体的な部分が平面的に描かれたり、平面的な部分が立体的に描き起こされる事で、偶発的に発生したイメージの関係性は、キャンバスの中で丁寧に繋げられていきます。
時間の経過を伴い何度も多角的に捉え直された絵画的イメージが、ぼかしやにじみや盛り上げなどの絵画手法に変換され、より絵画として豊かに存在するようにま
とめあげられます。
一つ一つの線や面や色の様々な描かれ方は一見無作為のようですが、作家の多角的な感覚を経た視点は、キャンバス内に描かれた平面と立体に寄り添って、不思議な絵画空間を生み出しています。
文章|湊健雄