E-CUS project
ARTIST
赤池 龍星 / RYUSEI AKAIKE
- 1990 埼玉県生まれ。
- 2017 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。
- 2015 O氏記念賞。
- 現在、埼玉、鹿児島を拠点に活動。
ステートメント
幼稚園からお絵描き教室に通い小学校の中学年から静物画を中心にモノを見て描くことを教わってきました。僕にとってモノを見て、あるいはモノを見た体験から描くことは絵を描く上での基本となっています。
平面である画面に置かれた色や形は見ているモノとは別物であり、そこには共通点とズレがあります。絵を描くときには意識するにせよしないにせよそこのズレとずっと向き合っているわけですが、その間様々なことに気づき続けます。物や景色は四角で囲われていないし、絵は紙やキャンバスと絵の具で出来ています。その両者は実は何が根本的に違うのか、またどこに繋がる余地があり何に共通点を見るのか。似たような色を置いたり、構造の似た形を描いてみたり、あるいは似てもいないし理由もよくわからないけれど間違いなくそこにその色を置いた方がいいような気がする、と思うこともあります。理由の全部は分かりませんがなにかを見るときには自分で考える以上の情報量を浴びていて、絵を通してモノの含んでいる様々な要素や見るときに使っていた多様な感覚に気づくのだと思います。
絵を通して感じるこうした様々な気づきを生む深度のある視覚体験と、そこで開いた感覚によって気づく新鮮な事実や可能性への興味は僕の絵を描く理由の一つです。
文章|赤池龍星