Seventh Street Bar/ 浜松
紹介
浜松駅から程近い有楽街と呼ばれる通りの終わりにある会員制BAR。突然あらわれる不思議な模様を持った建物の中に入ると、黒を基調とした広がりのあるゴージャスな空間が用意されており、煌めく光が宙に浮いているような雰囲気の中、夜を過ごすことが出来る。
所在地: | 静岡県浜松市 |
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用途: | 飲食店 |
延床面積: | 31.01㎡ |
設計期間: | 2012.11~2013.02 |
施工期間: | 2013.03~2013.04 |
設計: | 湊健雄/湊健雄事務所 |
施工: | 大谷草平/FAT DESIGN http://ohtanisouhei.com/ |
写真: | 岡本好雄 |
ファサード
クライアントから大人の宝箱のような存在の店舗にしたいという要望があり、変わった模様でラッピングされたプレゼントが突然目の前に置かれて驚くように、不思議な表情を持った建築が街を歩いていると突然現れて驚いてしまうような、そんなファサードのデザインが出来ないだろうかと考えた。
また、自分が卒業した芸大出身のアーティストの作品など建築に取り入れ、何か面白い事が出来ないかと日頃考えており、当時、模様を反復して描き続ける作品を制作していた美術家の小左君に声を掛け、二人のアートユニット"TOSŌ"によるデザインと自主塗装を計画した。
この模様は、施主が内装用に選んだ幾つもの素材が元となり、その素材のデザインの様々な要素を抽出し、その要素を重ねあわせ反復して作りあげたものである。それは内部の空間性がファサードに端的に表現されたものであり、その街で育った施主の思考が複雑に絡みあい出来上がった唯一無二の模様である。
タイルなどの建材の整然とした単純な反復ではなく、手書きによるブレのある複雑な反復模様は、思いの外、混沌とした街並みの中に溶け込み落ち着いた佇まいとなった。
内部空間
10人程が並んで座る長いカウンターのみの店舗である。とても狭い店舗だったので、万華鏡のように光がどこまでも広がっていくような効果を素材を使って生み出せないかと考えた。
まず、一番奥の壁一面に鏡を貼って奥行きを錯覚させている。次に黒い艶のある様々な光り方をするタイルを壁面に張り巡らす事で像を反射させた。カウンターの天板も氷に包まれたような表情を持つ素材にして反射するようにしている。酒棚の背面にはドット状に光る自主制作壁面照明が設置されており、そのドット状の光がタイルや天板や鏡に反射され、空間全体に光が飛び散り、四周が輝いている状態を作り出した。
素材
黒い艶タイルは、品番もメーカーも寸法も模様も違う4種類の黒い艶のあるタイルを上手く組み合わせ、目地を揃えつつ、単純なタイルの切り替えではない新しいタイルの貼り方を実験している。
10人ほどが並んで座れる長いカウンターは、地元にあった杉板の足場材を、透明樹脂で封入した7メートルの1枚もの。持ち運ぶ事が出来ないので、その場で型を作り、その場で制作し、その場で設置した。
床の塗装は、モルタルの上から墨汁を薄くしたり濃くしたりしながら幾度も塗装し、椅子の足の影や合間の光が空間の中にヒュンヒュンと伸びて飛んでいくような表情を即興で描いた。
新助 アトレ新浦安店 / 新浦安
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ART&LOGIC / 初台
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