LUGAR / 浅草
デザイン監修
浅草ひさご通りの裏手にある焼肉店街の一角にある小さな2階建てのワインバル。家庭的な食堂のようなスケールの空間。
浜松の飲食店で試した外壁の特殊柄塗装を見た工務店が、東京でも試してみないかと話を振ってくれた。一般的な塗装業者の場合、特殊な塗り方は嫌がり、施工者と費用の面がネックとなって実現することが難しい。湊事務所では芸大という特殊な出自もあり、技術をもつ知人美術家達とともに、安価にフットワーク軽く計画・施工が可能。今回は自分の集めたメンバーで外壁を塗装している。
年: | 2018.02 |
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用途: | 飲食店/ワインバル |
所在地: | 東京都台東区浅草 |
延床面積: | 30㎡(1F:15㎡,2F:15㎡) |
設計・施工: | ワシン建築事務所 http://washin.main.jp/ |
デザイン監修: | 湊健雄事務所 |
外装内装配色デザイン: | 湊健雄事務所 |
外壁特殊柄塗装工事: | 湊健雄事務所 |
内装グラフィック: | 伊澤真利奈 |
写真: | 乙咩海太 https://www.otomekaita.com/ |
特殊塗装: | 小左 誠一郎 鳥井祥太 |
●外装配色デザインと特殊柄塗装について
柔らかな雰囲気が印象的なクライアントと話すうちに、周囲の雑多な赤茶色の疑似タイルの街並みと同じような外観の建物の一角を、その色を抑えることで逆に目立たせたり、派手ではないけれど近くで見ると手が込んでいることが感じられるような手法が適していると考えるに至り、前述のコンセプトの塗装を提案し実現させる事となった。
コンセプトから色は無彩色とし、道路の縁や建物の基礎の色に近いグレーを単色で塗っていく事とした。タイルのリズム感や色や要素を上手く残しながらも色が変わっていくような塗り方を考え、具体的には疑似タイルのサイディングの目地の色を残しつつ塗っていき、途中から2色ある疑似タイルの内の明るい色を塗り外し、それがすんだら濃い色の部分も塗り外していった。
夜になると疑似タイルの彩度が抑えられ、ライトアップされたライトグレーは明るさが目立つようになり、派手なネオンや発行看板などとは違ったアイキャッチとして機能する。
●フロア別の配色と内装グラフィック塗装について
内装の塗装色については、すでにクライアントの中に独特な淡い色彩のイメージがあり、ヒアリングによって丁寧に具現化する事で、内装の色合いは、一般的な店舗の色合いとは異なる淡いけれどカラフルに感じる不思議な雰囲気を導き出すことができた。
1階は「ウィスキーブラウン」、2階はタカラ塗料の「イーグルブルーグレー」という絶妙な帰結であった。
一般的な塗料の範囲で選定する場合、色幅が少ない為その再現が難しそうだったが、使用素材との組み合わせにより繊細な色合いを表現することができた。また、淡い色の組み合わせにより目に優しい華やかさがある雰囲気となった。
2階の既存天井を取り払った事で出来た壁面の境は、壁面に張られた既存壁紙を残した事でテクスチャーも切り替わっていた。そのテクスチャーの違いをいかし、外壁に使ったライトグレーを追加する事とした。
改修物件では、過去の状態の余韻を丁寧に上手く残すと、過去のレイヤーと現在のレイヤーが重なり、その重なった時間の重みのようなものが、空間の雰囲気に落ち着いた印象をもたらしてくれる。
1階のカウンター周りにある、食材やワインボトルに囲まれた楽しさや幸福感が、階段室であったり2階の上部にでは享受できないため、目に留まる部分に、使用した塗料や自分たちが持ってる塗料で、色味を抑えたグラフィックを手書きし、その楽し気な雰囲気が2階にも散らばるように施工を行った。既製品のポスターなどと違って、躯体と一体となるため圧倒的に馴染みが良い。
出来上がった空間に雰囲気を補充する手段として、手書きグラフィックの追加で解消できた事は、これからも提案しがいがあるデザイン要素として再確認することができた。
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